vol.3

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「私も、伸之さんと同じです。えへへ、聞かれてないのに言っちゃった」 モナちゃんはそう言って、恥ずかしそうに笑った。 「そっか」 「はい」 そこからも他愛のない話をして、 「伸之さん、そろそろデザートにしましょっか」 モナちゃんはそう言った。それ食べたら帰ろうということだろう。 「うん。俺はいらないからモナちゃん食べて」 「じゃあ、遠慮なく」 モナちゃんはナッツの入ったチョコレートアイスに更にチョコレートソースをかけたものを注文し、平らげていた。こってりの後のこってり。 まあ、緊張がすっかり解けたみたいで良かった。 店を出ると、最寄りの駅まで送った。 「今日は、ご馳走さまでした。普通に楽しかったです!」 「ああ、そっか。良かった」 『普通に楽しい』って、何だよと思いながら、俺も笑顔を返した。芳川の顔を立てるくらいのことは出来たと思う。そういう面では無理だったけど、可愛いし素直でいい子だった。ある意味新鮮。お互い、そんな感じで伝わっただろう。 「じゃあ、」 そう言って手をあげると、モナちゃんはペコリと頭を下げて改札へと向かった。 ほ、と息を吐いた時、たたっと俺の前に戻ってきた。何か用だろうかと思うくらいピンと来てなかった。 「来週の土日どちらか空いてます?」 「ああ、どっちも空いてる」 「じゃあ、土曜日。連絡先聞いてもいいですか?」 彼女にとっては、俺は好意の対象であったことを。
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