vol.3

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喉が渇いてくる。利きすぎた空調に部屋の温度を下げるのに立ち上がると、モナちゃんがビクリと身体を震わせた。 「ごめん、暑いなって。温度、下げていい?」 「あ、はい。暑いですよね。うん、喉も渇いてくるし」 ……上手くいく気がしない。モナちゃんも立ち上がり、二杯目のお茶を入れてくれた。入れたてのお茶はかなりの高温で、余計に暑くなり、モナちゃんはパタパタと手で顔を扇いだ。 「脱ぐ?」 「ぬ!?」 暑そうだから、服を脱いだらどうかと思ったが、また「そうじゃなくて」と、言い訳のように説明することになった。だんだんおかしくなってきて、吹き出してしまう。とりあえず、ガチガチに緊張してるモナちゃんの気力が夜まで持つか心配だ。 「モナちゃん、とにかく今は何もしないから、気楽に過ごして」 俺がこう言ったことでそういうことは、寝る時だなという暗黙の了解となった。モナちゃんは、はぁーと大きく息を吐いた。 「そんなにほっとしなくても」 と、苦笑いする。 「いや、そういう意味では……しばしの休息なだけで」 「しばしの、ね」 俺がそう言うと、モナちゃんは「や、ちがっ」と真っ赤になってしまった。こんなに緊張……するもんか。そりゃそうか。モナちゃんがこんなんだから、俺の方は少しばかり余裕が出てきた。最もこの場面でさすがに俺が情けないところを見せられない。安心させてあげたい。
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