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テーブルいっぱいに並ぶ料理に
「食べたらお腹が出ちゃう」と気にするから
「いいよ、いっぱい食べて」と言うと、本当に気持ちいいくらい、いっぱい食べてた。こういうところも可愛い。
緊張を解す為にも少し酒も入れた。乾ききってない髪に、化粧もしてないあどけない素肌はいつもより若く見えた。高校生っていっても通用するかもな、なんて思っていたら、バチッと目が合った。サッと逸らされることを不審に思う。
「あれ、どうしたの?」
「だって、素っぴんだし」
「ふっ、全然、変わらないよ。モナちゃんはモナちゃんって感じ。可愛い」
今度はちゃんと伝わったようで、モナちゃんが恥ずかしそうに笑った。温泉のせいか、酒のせいか、上気した頬がとても色っぽい。
食事を終えると、片付けに来てくれた中居さんに
「すぐにお布団敷かれますか?」
と、尋ねられ「はい」と返事をした。二人の中居さんが手早く用意をしてくれるのを意識しないように、広縁の椅子に向かい合って座り、外の景色を見て過ごした。
さっきまで青かった海が空より暗くなっていた。
「では、ごゆっくり」
中居さんが出て行くと、静寂か広がった。目の前には、二組の布団が敷かれていて、出来すぎたほどに完璧な状況に二人放り込まれたようだ。
いかにも、だな。モナちゃんの方をチラリと窺うと、もうどうにでもなれって顔をしていた。
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