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緊張してるモナちゃんには悪いけど、こっちの気分は高揚してしまう。
「テレビでも見る?」という愚問をぶつけてみたけど、モナちゃんはふるふると首を横に振った。
「そう、じゃあ、こっちに来て」
って言ってもぐずぐずするから、俺が行くことにするとして、その前にドアの鍵を確認して、明かりを最小限に抑えた。あともろもろの準備を終えると、まだ椅子に座ってるモナちゃんを迎えに行った。
「大丈夫」
耳元でそう言って、桜色に染まる耳に口づけた。
「うまく、出来ないかもしれません」
ぎゅっと強く目を瞑るモナちゃんに
「はは、うまくできなかったら、俺のせいじゃない? そしたら笑ってくれたら助かる」
「伸之さんの、ですか?」
「そうだよ。二人でするものだし」
「じゃあ、大丈夫だよって、私がいいます!」
「うん。こうやって抱き合うことが当たり前になった時に、二人で今日のこと思い出して幸せで笑っちゃえるような思い出になればそれでいいよ」
額、首筋、唇、と緊張を解くようにキスを落として行く。くすぐったいのか身を捩るモナちゃんに深いキスをすると、そのまま抱えた。片方の布団にそっと下ろすとモナちゃんの力が抜けるまでキスして、体に触れた。
やがてモナちゃんも俺に身を委ねてくれた。いつか、抱き合うことが当たり前になればいいと思う。その一歩に、なるべく丁寧に大切に触れていった。
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