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──この日は芳川と飲みに来ていた。
「おお!? 何か落合若くなったな!」
顔を見るなりそう言われた。
「あー、そうかな。全部、モナの趣味」
「ほう、『モナ』」
「そ、『モナ』」
からかわれてなんてやるもんかと、笑った。あの旅行以来、随分とモナとの距離が縮まって『伸くん、こんなの似合うと思う』と、服も髪型もモナに言われた通りにしていた。特にこだわりはなかったし、モナが嬉しそうならいいかと思っていた。それがどうやら若く見えるようになったらしい。会う人会う人に『若くなった』と言われるようになった。
芳川はふふふと含み笑いをした後
「もう、言わないんだな。『羨ましい』って」と、更にからかってきた。
「言うわけないだろ。今は『羨ましい』と思った場所に俺もいるんだから」
基本的に素直で優しい芳川は
「良かったなぁ」って、笑っていた。
「ほんと、ありがとうございました。お陰様で楽しくて仕方がないです。正直、敬遠するタイプだったけど、付き合って良かったわ」
そうなれば、俺も素直にこう言った。
「確かに。めっちゃ縁遠そうな二人だもんな」
などと、紹介しておいて言う。
「うん。もし年齢が近くてもちょっとどうかなって思うタイプだったね」
「でも、モナちゃん奇抜な外見とは違って結構真面目だもんな」
「そうだな」
まさか、俺がハジメテだったとは言えず、同意するに留めた。
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