vol.3

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「落合ってさ、感情の起伏も少ないし、将来の見通しとかもさっさと立ててたし、なんつーか、かなり堅実だよな」 「うん」 「と、思ってたんだけど」 「思ってたんだけど?」 「プライベートはかなり冒険するんだな? あはは! 」 いい感じに酔ってきた芳川が笑い出す。確かに、俺はそうだ。それがつまらなく見えて思い悩んだけど、モナと付き合うことが『冒険』と言われるくらい、俺らしくないんだろう。俺らしくないからこそ、こんなに楽しいのかもしれない。 「そうだな。でも、かなりハマったみたいだわ。俺、あんなタイプが好きなのかも」 「良かったね」 半ば呆れるように言われてしまった。 「全然会えないんだけどね。お仕事、忙しそうで何よりですけど」 じっとり彼女の上司を睨むが、 「……うん。俺も和奏と休み合わないのよ。同棲でもしちゃうかな」 惚気返しされた。けど、そうか…… 「いいな、それ」 「そろそろスタッフ増やすから、土日の休みもう少し増えるかもよ?」 「お、ありがとうございます! オーナー!」 縁というのは、人から編み目状に広がっているのだろうか、それとも放射状に広がっているのだろうか。時々、そう思う。 俺の縁は今泉から芳川へ、芳川からモナへ。そんな風に繋がって、出逢えた。 ああ、柴田は何の意味があったのかな?とは思うけど。
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