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ふいに、真知子が言った。
「法子はさ、初対面とかあまり知らない人だと外見から入られてしまうから、いつも会ってる同僚とか元々の知り合いとか、……幼なじみとか、そんな法子の見た目に慣れた人とどうにかなる方がいいのかも」
「うん。俺もそう思う」
尚信も同意した。
「実は……それ、私も考えたことある。同僚は厳しいかも。前の彼氏が部署違いの会社の人だったからさ。大学、高校……うーん」
なかなか難しい年になってきた。なんせ、みんなそろそろ結婚する年になっていたからだ。
「うーん」
と、真知子と尚信も一緒に悩んでくれる。ちょっと白々しいけど。
「あ、そうだ。いつもの幼なじみメンバーの男子でさ、恋人いないのって誰?」
今、誰がフリーか知っておけば万が一の事があってもややこしくないと、何気に聞いただけだった。私の発言に、二人、また顔を見合せた。
「ちょい、法子。そんな選び方かよ。あの中なら誰でもいいのか?」
「誰でもいいとか、そんなんじゃなくて、みんな人となりは知ってるし、安心だし、優しい子ばっかりだし……。もちろん、向こうにだって選択権あるの知ってるよ」
「法子って、時々すごい天然」
と、言われてしまった。
「え、どういうこと?」
「あー……はは。昔からお前に憧れてた奴は多かったってのに、お前は、もう」
尚信にまで呆れられてしまった。もう遅いってことなのか、タイミングが悪いのか。
「そっかぁ。みんなもう彼女がいるのかぁ」
「や、確か、義仁は彼女いなかったはずだぞ?」
義仁……?
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