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「あ、でもさあ、義仁の『そろそろ落ち着きたい』は結婚する人みたいだね。案外こっちにそんな相手がいるんじゃない? ははは」
裕くんを格好いいと言ってたことを尚信にバレてしまった恥ずかしさから饒舌になっただけなんだけど、真知子も尚信も、やれやれとばかりにため息をついてしまった。
何かおかしかったのかな……。
「とりあえず、今度の集まりで急に変な行動取るのはやめといてね」
と、尚信に言われてしまった。
「さすがに、一人一人に彼女いるの? なんて聞いて回らないわよ」
「そこまでのこと言ってないわよ、法子。あーあ、何か私、可哀想になってきちゃった」
真知子が誰かに同情した。……私、じゃないよね?
「誰が可哀想なの?」
「俺の幼なじみ」
「え、だから、誰よ」
聞いたのは私なのに、尚信は真知子にだけ話した。
「俺、あっちけしかけてみる」
「うん、そうして」
「ねえ、二人で何言って……」
「法子、法子には法子のことをちゃんと見てくれる人がいるんだからね」
「何回、法子って言うのよ、真知子。何の話をして……」
「さぁて、みんなに声掛けるかあ」
「え、うん」
一括で連絡するのが、真知子と尚信だったり、他の人だったり、その時々で違って、それでもみんなそろそろ集まるのかなぁってどこか準備をしている。
真知子と尚信が一つのスマホを覗いて笑ってるのを見ると、やっぱり羨ましいと思ってしまった。根底にある信頼っていうのかな。愛がある。
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