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熱ぽいキスが続き、私は生理的な涙が滲んだ。
「義仁、苦しい、ねえ」
「今、我慢出来ると思う?」
「何年も出来たんだから、あと数時間くらい出来るんじゃないかな」
って、言ってしまったんだけど、義仁の腕は私の服の境目を見つけると、そこから入って来た。素肌に触れる手が熱くて、ひゃっと声を上げてしまった。
「ほら、時差ボケにならないうちに愛を確かめ合った方がいいと思わない?」
「その丸め込むのやめなさいよ」
そう言ったけど、義仁は耳元で小さく「我慢出来ない」と溢した。
結局、ベッドを一緒に使うまで待てなくてソファへなだれ込んだ。だって義仁はすごくキスが上手だったから。
「長かったー」って義仁は言ったけど、私は義仁のことを知っていたのに、よく知らなかったから、もったいないような気持ちだった。でも、これがタイミングならきっとベストなのだろう。
「今度は夏に帰ろうかな。尚信と真知子の子供産まれてる?」
「予定日8月だって。ギリギリ会えないかもね。そしたらお正月になるのかな? 」
「そっか。急でびっくりしたけど楽しみだな」
「そうよ。お正月に会った時にはお腹にいた計算なんだってさ。2ヶ月」
「へえ、2ヶ月?」
「あ、そうそう。妊娠週の数え方がね……」
「今、俺たちの子供が出来たらいつになるの?」
「……」
生々しいのでこの会話はやめることにした。
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