vol.4

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「そうだ、夏に帰った時だけど、日本ではお互い実家だから、どこで抱き合う? ホテル取る?」 「義仁、恥ずかしいよ」 「恥ずかしい? 何で、大事なことだろう? 数ヶ月に一度しか会えないのに、やっと会えて何も出来ないなんて嫌だからな」 「そうだけど、今決めること?」 「……まあ。そうだな。嫌だな、離れるの」 「今日来たばっかりじゃない」 「そうだけど、そうなんだけど、やっと恋人になれたのに、離れなきゃならないって拷問じゃねえ?」 「じゃあ、夏に帰って来た時に付き合えば良かったのかな?」 「そうしたら、今夜が拷問だろうが」 「義仁は変なところで真面目ね」 ちゃんと形にして手を出すってことなんだ。同意の上だってことね。 「法子に対して真面目じゃなかったことはない」 あまりにも真剣な顔で言うものだから、私は胸がくすぐったくなった。恥ずかしくなって、俯く。そっと視線を戻すと義仁がにっこりと笑った。 胸がいっぱいになる。 「義仁はいつもそうやって笑うのね」 「そりゃあ、法子と初めて二人で出掛けた日からニヤニヤしっぱなしだからな。嬉しくて仕方がない」 んん?と思って義仁を見つめると、笑ったままだ。あれ、ひょっとしてと思い当たった。 「義仁、それ、ずっとニヤニヤしてるってこと?」 義仁が口元を手で覆ってしまった。
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