vol.1

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──── ── 「ほんっと可愛いな、お前」 ほんっと格好いいくせに俺にそう言ってくる大友さんに 「よく言われまあす」 と、返す。 「大友さん、セクハラ! 横浜くん『まあす』じゃなくて『ます』!」 「「はい」」 厳しい相原さんに大友さんと二人で返事をした。相原さんはアイドルばりに可愛い。何でか俺の方が可愛いと言ってくるけど。変に謙虚。 「可愛い自覚はあるんですけどお、俺みたいな顔って老けたら悲惨ですかね」 つい、聞いてしまってみんなが手を止めて顔を上げる。まじまじと見られて、ここで言うんじゃなかったかと後悔した。だって、みんなイケメンだし?美人だし? 「何でそんなこと急に聞くんだよ」 名前そのまんまキラキラした吉良さんが尋ねてきた。 「いや、その、気にしてないんですけどね」 と、前置きして話した。 「前の会社で、俺みたいな顔は30過ぎたらキツイみたいなことを言われて……」 「ふうん、で、その言った奴と30過ぎても付き合いあんの?」 いつもおチャラけてる大友さんが綺麗な目を細めた。 「……いいえ」 「そか! んじゃあそいつはお前が30過ぎたとこ見れねえんだな? 残念だなぁ。あはは! んじゃ、俺が判断してやる! お前がキモくなった瞬間に、キモい! つってな!」 と、親指を立てた。いや、キモいとは言ってな…… なぜか、がっしりと抱きしめられ、デカイ。胸筋(おっぱい)!苦しい。遠くなる意識下で「セクハラ~」と相原さんの声が聞こえた。 ぷはっ、死ぬ!ホワイトアウト寸前に逃げ出せた。
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