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「ほんっと可愛いな、お前」
ほんっと格好いいくせに俺にそう言ってくる大友さんに
「よく言われまあす」
と、返す。
「大友さん、セクハラ! 横浜くん『まあす』じゃなくて『ます』!」
「「はい」」
厳しい相原さんに大友さんと二人で返事をした。相原さんはアイドルばりに可愛い。何でか俺の方が可愛いと言ってくるけど。変に謙虚。
「可愛い自覚はあるんですけどお、俺みたいな顔って老けたら悲惨ですかね」
つい、聞いてしまってみんなが手を止めて顔を上げる。まじまじと見られて、ここで言うんじゃなかったかと後悔した。だって、みんなイケメンだし?美人だし?
「何でそんなこと急に聞くんだよ」
名前そのまんまキラキラした吉良さんが尋ねてきた。
「いや、その、気にしてないんですけどね」
と、前置きして話した。
「前の会社で、俺みたいな顔は30過ぎたらキツイみたいなことを言われて……」
「ふうん、で、その言った奴と30過ぎても付き合いあんの?」
いつもおチャラけてる大友さんが綺麗な目を細めた。
「……いいえ」
「そか! んじゃあそいつはお前が30過ぎたとこ見れねえんだな? 残念だなぁ。あはは! んじゃ、俺が判断してやる! お前がキモくなった瞬間に、キモい! つってな!」
と、親指を立てた。いや、キモいとは言ってな……
なぜか、がっしりと抱きしめられ、デカイ。胸筋!苦しい。遠くなる意識下で「セクハラ~」と相原さんの声が聞こえた。
ぷはっ、死ぬ!ホワイトアウト寸前に逃げ出せた。
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