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3年のブランクを経て、私はまた彼と同じ学校へ行くことになった。
そう、夢にまで見た
「「campus life」」
中学からの親友と声が揃った。彼女、朱里にとっては彼ぴと初めての同じ学校。楽しみで、楽しみで震える。手を取り合って喜んで、これから始まる未知の世界に心ときめかせていた。
付き合って3年になる、私の恋人、渕上雅紀、通称ふっちーを追いかけて、私はこのF大への進学を決めたのだ。その昔、あまのじゃくを発揮して他校生になってしまった、そんな失敗を繰り返さないために。
あと親友の朱里は私の元クラスメート、工藤快晴と付き合ってる。こちらも3年の付き合いだ。
4人とも同じ大学に合格するなんて!ふっちーと工藤はスポーツ推薦でさっさと進路を決めたため、私と朱里は我を見失うほど勉強したものだ。その甲斐あって……
「快晴くん、片付け終わったらこのあたりうろうろしてみようよ」
ふん、なぁにが、『快晴くん(ハート)』よ。朱里ってば浮かれちゃって。あの鼻から抜けたような声!工藤だって鼻の下伸びてんじゃないの?
「俺たちも行くか?」
ふっちーの声に
「行くぅ! お部屋の片付けも手伝ぅう」
私は即答してふっちーに体を擦り寄せた。
「もう片付いてるからいい。ちょ、あんまベタベタすんなよ」
「テレてる(ハート)」
「テレてねえ!」
新たな土地を探索するというのにみんなで行かずに二人で行く。女の友情はこんなもんなのだ。
朱里と目を合わせてお互いに手を振った。
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