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「そうじゃないって? 爽やかじゃないの?」
「んー、まあ。良いやつだよ。飯作れんの。すごくね?」
「……すごい。けど、何で私は大丈夫なのよ。あ、わかった。イケメンで爽やかで料理も出来る男子を私に近づけたくないんだな?
やだー、やきもちー」
高い位置にあるふっちーのほっぺをつんつんしたけど
「はは」
と、渇いた笑いを返されただけだった。そうでしょうとも。焼きもちなんて焼かないでしょうとも。
同じ大学に来たからといって、ずっと一緒にいられるわけじゃないんだな。夢にまで見た『campus life』は楽しみな気持ちがほとんどで、ほんのちょっとだけ不安が混じった。
だってさ、ふっちーはいつの間にか私の知らない友達と、私の知らない人の話をして笑ってる。
────
大学入学が決まって、ふっちー(と、工藤)は一人暮らしの家を大学からほど近いアパートに決めた。このアパートは学生向けの新築物件とあって、10部屋ある全てが新入生で埋まったのだ。私も一緒のアパートが良かったが、入学前から一人暮らしすることは親が許してくれなかった。それと、一人暮らしの条件がオートロックのマンションであることだったので、どのみちアパートは無理だった。アパートは新入生ばかりということもあって、その住人たちはあっという間に仲良くなってしまった。
いいなあ。ふっちーと同じアパート。
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