vol.2

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アパートには女子もいる。何かみんなで集まってご飯食べたりしているみたい。だから、さっきも津守くんが『晩飯どうする?』って聞いたのだ。 私(と、朱里)のマンションも近いんだけど、ふっちーはアパートにはあんまり呼んでくれない。何となく気付いている。そのアパートの人たちとの居心地のよさが、私がいると崩れるんだろう。 それと、バスケ部は素人のマネージャーなんて入る余地はなかった。スタッフだけで10人近くいるし、練習も見れない。ふっちーはほとんど練習だ。 朱里は、私たちがマネージャーになれないってわかった時『私はバスケットをよく知らないし、バスケットが好きなんじゃなくて、快晴くんが好きだから、入部したかっただけ。それなら邪魔したくないな』と言った。その通りだと思った。一個人の一感情で務められるものじゃない。 ふっちーはバイトも始めて思ったより忙しい。それでも高校生の時より制限は少ないから、楽しみが勝つのだ。 ただ、ふっちーがいるからしてきた努力が報われて、幸せで、ここからはどうしたらいいんだろうか。ふっちーが忙しい間、私は何をしようか。すぐそこにいるのに会えない時の感情がうまくコントロール出来なくなっていた。 たぶん、私は、重い彼女だと思う。
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