vol.2

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───3ヶ月後 私は高校入学の時にした後悔をしたくなくて同じ大学に来た。ふっちーを追いかけて来た。それって、向こうからしたらどうなのだろう。そう考えるようになっていた。 付き合いが長くなって二人でいることになれてくると、「お前とはいつでも会えるじゃん」って後回しにされることが増えて来た。 いつでも会えてないのに。 ふっちーの最優先はバスケ。その次はバイト。その次はアパートの友達。その次くらいに私。 これはもしかしたら、倦怠期ってやつかもしれない。私から連絡しなければ、どうなるのだろうと試してみたら、連絡は途絶えてしまった。 ──── 「だからって、何で私の家に来るのよ」 朱里の部屋でぐずぐず言っているとそう言われてしまった。 「だってさ、一人でいるとふっちーのことばっかり考えちゃうんだもん。ふっちーは私のことなんて考えずに好きなことしてるのに」 「紗香も、好きなことしたらいいじゃん」 朱里がこんなに落ちついているのは、ちゃんと工藤に愛されてるからだと思う。 「好きなことったって、ふっちー?」 「ふっ、バカ」 「だってぇ」 「紗香もサークル入ったりとかバイト始めたりしなよ。出遅れてるよ」 「わかってる。わかってるけどさあ」 「わかってる。紗香はふっちーにいつ呼ばれても対応出来るように予定空けときたいんだよね」 「……うん。でも、お金ないし、バイトはしたい」 そうだ。せっかく大学生になったっていうのに、ふっちーと朱里と過ごしていたら高校生の時と変わりがない。私も新しい人間関係を築こう!
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