vol.2

7/65
前へ
/192ページ
次へ
バスケ部に関わることが難しいとわかると、朱里はサッと切り替えた。 高校の時から続けてた書道のサークルに入り、カフェでバイトを始めた。せっかくバスケ部の練習がない日だって、サークルかバイトがあれば工藤の誘いを断ることもあるっていうのだから、朱里は“重い彼女”ではないのだろう。 私はどうしても依存してしまう。それが嫌で、熱心に勧誘してくれた一つのサークルに入ることにした。 campuslife!楽しんでやる。それからバイトは新装オープニングスタッフを募集していたカラオケ店ですることにした。 ふっちーに報告すると、「そうだな。お前も大学生活楽しんだ方がいいよな」なんて言いやがったのだ。ムズムズと懐かしい感覚が甦ってくる。 「そうだよ! 私も忙しいんだからね! いつもふっちー最優先じゃないんだから!」 ──…… 何で、あんなこと言っちゃったんだろう。元々少なかったふっちーからの連絡が更に減ってしまった。ふっちーの練習が早く終わる日なんかはバイトのシフト外してたのに……。 せっかく入ったテニスサークルは何やら派手な人が多くて、なかなか馴染めなかった。……テニス、いつするんだろう。誘いはほぼ飲み会ばかり。まだ未成年の私はそのテンションに付いていけず、バイトを優先していた。相変わらず熱心に勧誘してくれた人からは頻繁にメッセージが届いていたけれど。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1119人が本棚に入れています
本棚に追加