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「なるほど……。何かちょっと嫌だね。劇的なダメージ受けるほどのこともないけど、じわじわ来るダメージ」
真希さんの眉間の皺もじわじわ深くなってきた。
「そうなんです。でも大丈夫! なんと、来月はふっちーの誕生日という一大イベントがあるんです! そこ、そこで頑張りたい!」
「紗香ちゃん、ほんっと彼氏のこと好きなんだね。付き合い長いのにそんなに気持ち保ってられるのすごいね。こうやって高校生から大学生になって環境変わると価値観も変わって、心変わりしたり、他を見たくなったりしない?」
真希さんは半ば呆れるように、からかってきた。
「うーん、だって格好いいんですもん。なかなか会えない時は無理にでも時間作ってくれたのに、会えるとなると……後回しにされちゃう。でも、そんな夢中になってバスケしてるとこが好きだから追いかけて来たのも事実。向こうからしたら重いですかね、やっぱり」
「私は可愛いと思うけど、だけどそれだけ愛されちゃうと、向こうは調子に乗ってるのかもよ? さぁ、ちょーっとくらいドキドキさせたいと思わない?」
「……わぁ、真希さん、悪いお顔」
真希さんはそりゃもう悪女みたいな顔で笑うと、ドンとタブレットとメイクボックスを私の前に置いた。
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