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「男は、足! 足なんだって。太くても何でもいいから足!」
真希さんがタブレットでファッション紙を私に見せながらそう言った。パンツ派の私にスカートコーデを見せてくれている。
「スカート……。タイツとブーツが履ける冬以外はあんまり履いてなかったかも」
「そうよ、それ! いつもと違う雰囲気とか、大事なんだよ。服にメイク。紗香ちゃんメイクほとんどしてにいよね?」
「眉とリップ、時々マスカラ」
「顔立ちが元々華やかだもんね。いいな。でも、もっと可愛くなれるよ。ね、やってみよ?」
真希さんは急に火がついたのか、わくわくしだした。男は視覚で落ちるのだ。とか何とか言ってる。
パッと目を開けて驚いた。
「わあ! 目が大きい! 何かセクシー!」
「あはは、目の大きさは元々だよ。でも雰囲気変わるね」
ここまでハッキリとメイクをしたのは初めてだった。何種類ものアイシャドウに、マスカラ下地。かなり目元が強調される。いつも横に流してた前髪も真ん中に分けただけで、雰囲気が変わる。
「私、今からふっちーに会いに行ってきます!」
「あはは! 見せたいんだ? いつもと違う雰囲気に、“どっか行ってたのか?”みたいに聞かれたら、絶対にふっちーの為って言っちゃだめよ。“サークル”って言ってね」
真希さんはまた悪い顔で笑った。テニスサークルはやめてしまったけれど、真希さんの所属する“お散歩サークル”に入ることにした。なにそれ、楽しそう!だけど、詳細はまた今度聞くことにして、私はふっちーの家まで向かった。サプラーイズだっ!
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