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ふっちーのアパートのインターホンを鳴らす。ドア越しにスコープを覗く気配がして、チェーンの外される音がした。
「入って」
と声が聞こえて、ドアを開けた。
「来ちゃった」
どう?どう?フルメイクの私!そんな気持ちでふっちーの様子を伺った。
「ああ。あんま、時間ないけど、何飲む?」
「……あ、これからバイトだった?」
「いや、ここの奴らと晩飯。もうちょっとしたら集まることになってる」
「そう……」
グラスに入れた冷えたスポーツドリンクを受けとると、ローテーブルの前に腰を下ろした。
「で? どした?」
メイクしたの、見せようと思って……なんて、自分で言うのは切ない。から、
「会いたいなって思っただけ」
「ふーん、そっか。どっか、行ってたのか?」
ふっちーから真希さんの予想通りの言葉が出て、メイクに気付いてくれてはいるのだと思った。
「え、いや、どうして?」
メイクのことに触れて欲しくてそう聞いた。
「いや、いつもと違うから」
「あ、うん。サークルに行ってて……」
「あー、そっか。楽しそうだな」
「うん。仲良しの先輩が出来て、楽しいよ」
「そっか。良かったな」
「……うん」
ふっちー、さっきからチラチラ私のグラスを見てる。早く飲めってことだと思う。飲んだら帰れってこと、だと思う。
いつもと違う。から、どうなのか……聞きたかったのに。
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