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「はい。でも、行くつもりないのに誘ってもらうのも悪いですし」
さすがに、嫌だってことは伝わってると思うんだけど、引き留めてくる。
「もしかして、彼氏にやめろって言われた?」
「……いえ、」
と、言いかけて気づく。そうか、そういうことにしたらいいのか。
「実は、そうなんです。あのサークル、男女の出会い目的で参加してる人が多いって聞いて、私は知り合いが沢山出来たら言いなあと思ったんですけど、そういう出会いは求めてないから、場違いだなって……」
「あー、やっぱ彼氏いるんだ。あのバスケ部の子?」
あ、今もしかして彼氏いるか探られた?私の彼氏が誰かわかってるってことは、ふっちーといるところを見られたのかな?
「そうです。何で知ってるんですか?」
「バスケ部のジャージ着た子と歩いてるの何回か見かけたから。目立つよね、あれだけ背が高いとさ」
こうなると、ふっちーにぞっこんなこと言ってしまおう。事実だし。
「はい。もう3年付き合ってて、彼を追いかけてこの大学まで来ちゃいました」
出来るだけ、彼に夢中!って感じを出してそう言った。さすがにそれには驚いたのか、北山さんは一瞬目を見開いた。
「え、それは凄いな。あー、どうだろなあ……」
と、何だか含ませるように口を歪めた。
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