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──ふっちーの家にお邪魔していた時、
「来週、久しぶりにどっか出かけるか?」
それこそ久しぶりにふっちーが誘ってくれた。だけど、くうぅ、我慢。全ては素敵な誕生日を過ごすため。
「来週、短期でバイト入れたんだ。ごめん。その代わり、ふっちーの誕生日は1日空けてるからねっっ」
「……あー、俺、練習あるけど」
「……え?」
「いや、あるだろ、そりゃ」
私の顔があまりにもガッカリしていたのか、ふっちーはふっと眉を下げて、私の頭を撫でた。
「夕方くらいから会えるから。な?」
「うん。わかった。じゃあさ、じゃあさ、ご飯作ってここで待ってるからさ……」
「あー……えー、お前の家でもいいか?」
「……うん、いいよ、勿論」
いい、全然いいよ、私の家でも。むしろ、自分の家でもてなした方が、やりやすいといえばやりやすい。でも、何だろう。今の。何か違和感を覚えた。
私をここへは呼んでくれるけど、自分がいない時に部屋にいられるのは嫌なの?
「んじゃ、宜しく」
「あ、うん。楽しみだね、楽しみだねぇ?」
「はは、お前が楽しみなんじゃん」
「そりゃそうだよ、お祝い出来るんだもん。嬉しいよ、1年に1回の特別な日だよ。何たべたい? ハンバーグ?」
ふっちーはハンバーグが好きだ。
「あ、そういやこの前、津守が作ったハンバーグうまかったな。目の前で焼いてくれて、女子でも2個はペロッと食えるつって」
女子、でも……?
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