vol.2

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寝る前にスマホを見るのは良くないな。睡眠の質が悪い。時間的にはよく寝たのに全然すっきりしない。ぼーっとする。 わかってる、スマホのせいじゃないって。はあ。最近、ため息ばかりだ。 一人暮らしの家の悪いところは一人がゆえに色々考えてしまうとこだな。うん。あと、私が買わなきゃ、家に何もないってとこだ。 飲み物がないのはさすがにマズイ。仕方なくコンビニへ向かった。まだコンビニくらいしか開いてない。 あんまり考えたくないのに、コンビニはふっちーの家の近くだ。練習まで寝てるだろうけど。 が、コンビニで会ってしまった。なんせふっちーは背が高いから棚から出てる。そして、穴が開くほど見てきた私は、その後頭部だけでふっちーだってわかる。 まあ、それでも会えて嬉しいと思ってしまう、私のバカ。 声がする。棚で見えないけど、隣に誰かいるみたいだ。 「結局、朝から来るなら泊まればよくね?」 「うーん……さすがにそれは悪いなって。良くないでしょ」 ドキリ、鼓動が早くなった。声、女の子だ。アパートの子かな? 「あー……わかってんじゃん」 「うん、一応ね」 「でも、夜に送るのも大変だぜ? お前んち結構距離あるし」 「あ、そっか……」 アパートの子じゃないんだ。誰だろう。私はふっちーの顔が見えるところに一歩踏み込んだ。
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