vol.2

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「あ」 ふっちーは私に気づくと、一度だけ隣の女の子に視線を走らせる。私に向き直り 「うす、おまえも朝飯?」 何もないかのようにそう言った。隣の女の子は、私に気がつくと、こちらも何事もないかのように、にっこり笑って私にペコリと会釈し、 「雅紀くん、私、先に帰るね」 と、レジへと向かおうとする。 「いいって、菜月、重いから俺が買って帰る」 「……いいの?」 「ああ」 「ありがとう、じゃ、先に帰るね」 残ったのは、沈黙と気まずい雰囲気だった。チラリとふっちーの顔を伺うと、ふっちーもじーっと私を見ていた。 「ふっ、すっぴんじゃん。お前」 「……」 本当だ。部屋着に素っぴん。あの子は……スカートじゃなかったけど、足のラインが出る細身のパンツ。むしろ、スカートより色気があるかも。すごくスタイルが良かった。メイクしなくても、すっごい可愛い人だった。いや、綺麗って言えばいいのかな。 何も言えなくて、ふっちーを無視するみたいに、今から食べる分くらいの朝ご飯と飲み物をかごに入れ、レジへと向かった。 ふっちーは買い物を終えて、外で待っていた。私が外へ出ると、また眉を下げた顔だ。ふっ、と笑うと私の化粧をしてない頬に触れる。私はされるがままになっていた。送ってくれるつもりなのか、私のマンションの方へと歩き出した。
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