vol.2

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「春と冬の号は長期休暇に合わせてちょっと予算の高い旅系入れたりもするよー」 「すごい、本格的」 それに、このサークルは全然あやしくない!良かった。そうか、デートコース探せるの、楽しそう。 「まあ、普段はゆるくて。たまたまここ行ったの良かったよーみたいな情報あれば共有して下さい」 「はい」 サークルの説明が終わると 「紗香ちゃんもデートに使いなよ」 と、真希さんが去年のサークル誌をくれた。 「わぁ、ありがとうござい……ま……す」 「……ん? どうしたの?」 私、デートする人いるんだろうか……。ってことを思い出してしまった。 「いや、私、デートするのかなって」 「ええ、そのスカートだって、早速買ったんだあって思ってたよ。今日のメイクだって可愛いし!」 真希さんは私の買ったばかりのスカートを指差して言った。 「……はい、そうなんですけど」 「彼氏の反応、イマイチだった? 足なんて出したら、ガバッとくるでしょ」 カラカラ笑うと真希さんに 「真希さん、大学生の男子なんて性欲の塊ですよね?」 と、聞いてしまい、真希さんが数秒真顔になってしまった。 「ちょ、ちょっと! そういう話は! いや、そういう話好きだけど! 構内ではどうかな。家で話そ!」 急ぎ足でマンションに向かいながらも、真希さんは「塊だと思う」と、言った。……カタマリ。
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