vol.2

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私はそのまま真希さんの家にもう一度お邪魔して(違う意味でお邪魔じゃないかしら)。 短期バイトの詳細を聞いた。アマチュアバンドのイベントで5日間ホールスタッフとして働くということだった。 「酒も入るから、絡んでくる奴いるかもだけど、そういうのは男が担当するから。ヤバいと思ったら呼んで。未成年は22時には帰らせるから」 「はい」 「スタッフはコードネームみたいな感じで統一して下の名前で、スタッフTシャツがこれ」 と、ネームプレートとTシャツを渡された。 「ほぼ、音響で聞こえないけど、知り合いもちゃんとプレートの名前で呼んで。俺も『紗香』紗香ちゃんも『キョースケ』ね?」 「はい。魚住さんって、キョースケなんですね。どんな字?」 「匡介」 「へぇ、格好いい」 「んじゃ、宜しく」 「はい。えっと、お邪魔しました(違う意味でも)!」 何か、真希さんが恥ずかしそうで、私も恥ずかしい。いや、でもとってもお似合いだ。 予定が早く終わってしまったので、スーパーでも行こうかと思っていた。 ふっちー……練習終わってると思うけど、何してるのかな?行ってみようか。でも、前みたいに早く帰れって雰囲気出されても嫌だしなぁ。 スマホを持っては置いて、持っては置いてしていると、着信を知らせる音が鳴って、ビクリとした。
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