vol.2

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「菜月ね、仲良くなった男の子に告られて、菜月もまんざらじゃなかったからOKするつもりだったの。それなのに、さっきの子がその男の子のことを好きだったから、菜月に断ってくれって頼んだの。それで、菜月ったら断ったのよ?」 「でも、そんなに好きじゃなかったし。あの二人うまくいったんだからいいんだよ」 「もう! いつもそうじゃん」 「だから、いっかって思うくらいの好きだったの。ほら、この話は終わり! 紗香ちゃん困ってるでしょ」 「あ、ううん。私は……」 「ね。菜月がどんな子かわかってくれた?それからも何人か告られたのに、誰かがその男の子を狙ってたら諦めちゃうの。人が良すぎるんだよ」 「いいの。私は」 菜月ちゃんは 「紗香ちゃんみたいに、同じ大学来たいって思えるくらい好きになってみたいな」 と、可愛く笑って言った。お陰で私は赤くなってしまった。ふっちー、話してるんだ。 「聞いたの? 彼から」 「いや、快晴くんからまとめて聞いた」 工藤か。言いそう、確かに。 「うらやましい! そんな恋してみたーい! ちゃんと好きになったら、私だって絶対に諦めないんだから! 」 菜月ちゃんは今度は芽以ちゃんにそう言ってみせた。芽以ちゃんは 「そうして」と呆れるように笑った。 そこからも、三人でわいわい言って、凄く楽しかった。 くぅううう、菜月ちゃんは可愛いだけじゃなくて性格もめっちゃ良かった。嫌だなって思ってごめんなさい。納得のモテモテ。 芽以ちゃんや菜月ちゃんと仲良くなれたことで、私の大学生活がまた少し楽しいものになった。
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