vol.2

38/65
前へ
/192ページ
次へ
コンコンとドアがノックされる 「あいてまーす」 「紗香、これ」 「お、ワイヤレス。あー、めっちゃ音いいですね」 じっくり見せてもらって、同じのにしようかな。と思っていた。早めに買いに行こう。 「でしょ」 魚住さんも満足そうに笑った。結局、ケースを忘れた魚住さんを真希さんの部屋まで追いかけて、行くことになって笑ったけど、だいたいの計画は立った。 楽しみだなぁ。ふっちーの誕生日。この日がきっかけで、またらっぶらぶに戻れたらいいのに。命でもかける気持ちだった。 ──そんな気持ちが伝わったのか、この日は!突然!ふっちーが私の家に来てくれた。サプライズ!疲れてるけど、全然平気。スタッフTシャツなのは不本意だけど。 「どうしたの?」 などと一応言ってみる。“会いたかった”からに決まってる。そう言ってくれたいいなって。 「あー、いや。もうバイト終わったのかなーって」 「うんうん、終わったよ。入る?」 「いいや。何か……タバコ臭い」 喫煙スペースもあったから、匂いついたかも。 「え、あ、そっか。ごめん」 「バイト、誰と一緒だっけ」 「えー、カラオケの方も今日の短期のもサークルの先輩と一緒だよ。あ、短期は今日で終わり。えへへ、楽しみだね、ふっちーの誕生日」 あ、こんな言い方しちゃうと、バイトはふっちーの誕プレのためって言ってるみたいになる。ダメダメ。 「……サークル、楽しいのか?」 「うん、楽しいよ! ふっちーの……」 「そっか」 あれ、前もサークル楽しいのかって聞いてこなかった?何で何回も聞くんだろう。てか、芽以ちゃんと菜月ちゃんに聞いてないのかな?
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1119人が本棚に入れています
本棚に追加