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コンコンとドアがノックされる
「あいてまーす」
「紗香、これ」
「お、ワイヤレス。あー、めっちゃ音いいですね」
じっくり見せてもらって、同じのにしようかな。と思っていた。早めに買いに行こう。
「でしょ」
魚住さんも満足そうに笑った。結局、ケースを忘れた魚住さんを真希さんの部屋まで追いかけて、行くことになって笑ったけど、だいたいの計画は立った。
楽しみだなぁ。ふっちーの誕生日。この日がきっかけで、またらっぶらぶに戻れたらいいのに。命でもかける気持ちだった。
──そんな気持ちが伝わったのか、この日は!突然!ふっちーが私の家に来てくれた。サプライズ!疲れてるけど、全然平気。スタッフTシャツなのは不本意だけど。
「どうしたの?」
などと一応言ってみる。“会いたかった”からに決まってる。そう言ってくれたいいなって。
「あー、いや。もうバイト終わったのかなーって」
「うんうん、終わったよ。入る?」
「いいや。何か……タバコ臭い」
喫煙スペースもあったから、匂いついたかも。
「え、あ、そっか。ごめん」
「バイト、誰と一緒だっけ」
「えー、カラオケの方も今日の短期のもサークルの先輩と一緒だよ。あ、短期は今日で終わり。えへへ、楽しみだね、ふっちーの誕生日」
あ、こんな言い方しちゃうと、バイトはふっちーの誕プレのためって言ってるみたいになる。ダメダメ。
「……サークル、楽しいのか?」
「うん、楽しいよ! ふっちーの……」
「そっか」
あれ、前もサークル楽しいのかって聞いてこなかった?何で何回も聞くんだろう。てか、芽以ちゃんと菜月ちゃんに聞いてないのかな?
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