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コンコン、と壁を叩く音がしてだらだらと集まる。
適当に金集めて誰かが買い出し行くこともあるし、誰が参加して、誰が参加しなくても「そっか」程度で楽な集まりだった。
「壁叩いて集合とか原始的」
誰かの言葉に笑う。
ここの住人に3人いる女子、プラスいつもそのうちの一人の友達も呼んで4人くらい女子が来たりこなったりしてたが、その女子がいない、男だけの日だった。
男5人、俺と工藤と津守とあと2人。となれば、一人が自分の彼女の話を始めた。
「もう2週間連絡ない」
「……原因、何? 」
「何かうっぷんが溜まってたみたい。どこも連れてってくれないとか、身体だけとか。いや、そらやりてーだろ」
と、話は下ネタになった。
「いや、こいつヤバいんだよ。急にヤリたいとか言い出して、彼女んち行ってやるだけやって帰って来た」
「……うわ、言うなよ。あるだろ、そうムラムラして我慢出来ない時」
二人が喋ってる内容に共感するけど、そうはしないなーとかぼんやり考えていた。
「いやな、お前な、彼女がいないフリーな時にムラムラしても、どうもしないだろ? でも彼女がいたら我慢せずにぶつけるってのは、彼女に大しての傲り。そうしてもいいんだって甘えてるし、勘違いしてる。ひどいだろ」
津守が強い口調でそう言って、シンと静まった。
「……まあ、そう。だから反省してる。んだけど、それからさせてくれなくなって……」
「そりゃそうだろ、相手にだって感情あるわ。女は男ほどしたくないだろうし、いつもこっちのペースだと嫌な思いするわな」
「津守って、そんなんなのに意外だな」
津守はそう言われて、不本意そうに目を細めた。
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