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「あのなあ。だから、俺はちょうどシたいと思ってる子としかしねーの。ついでに、エッチするために機嫌とって、飯奢って、遊びに連れてってとか、そんなのが面倒だから彼女作らねーんだよ」
「理にかなってるよーで、そっちもどうかと思うわ」
と、突っ込まれていた。
そう言えば、俺も会えばしてたかも。それを嫌がられたこともないし、断られたこともない。
「会えばすんのは普通じゃねんだ」
ボソリそう言うと
「普通。というか、したい」
彼女とケンカ中の奴が言った。
「いや、それで気まずくなってんだろ。だから、それだけにならなきゃいいんじゃないか? たまにしない日をつくるとか」
もう一人の奴が言った。
「え、工藤! お前は今西とどんな感じなんだ?」
思わず工藤に振る。
「うわ、ちょいちょい、ストップ! ふっちーに聞かれんのは、何か嫌だって! 」
「あはは! お前ら相手知ってるもんな。んで、どうなんだ?」
「……や、俺は会えばってか、向こうも忙しいから元々そんなに会えてない。それに、そういうのは、結構気をつかってるつもり。ちゃんと向こうの気持ちを……読む。ケンカしたくないし」
だ、そうだ。マジか。読むって何だよ。心理戦かよ。
「え、ケンカすんの、お前ら」
「するよ。たまーに、だけど。朱里、結構自分の意見言うもん。ハッキリしてる」
「俺、したことないわ」
「そーなんだ。石橋、結構言うタイプなのにな。あ、でもお前にうるさいくらいぞっこんだもんな」
「ぞっこんて」
「いや、まじでそんな感じの彼女なんだよ」
みんながわいわい言ってるのが、遠く聞こえるよう感じた。
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