vol.2

48/65
前へ
/192ページ
次へ
「あのなあ。だから、俺はちょうどシたいと思ってる子としかしねーの。ついでに、エッチするために機嫌とって、飯奢って、遊びに連れてってとか、そんなのが面倒だから彼女作らねーんだよ」 「理にかなってるよーで、そっちもどうかと思うわ」 と、突っ込まれていた。 そう言えば、俺も会えばしてたかも。それを嫌がられたこともないし、断られたこともない。 「会えばすんのは普通じゃねんだ」 ボソリそう言うと 「普通。というか、したい」 彼女とケンカ中の奴が言った。 「いや、それで気まずくなってんだろ。だから、それだけにならなきゃいいんじゃないか? たまにしない日をつくるとか」 もう一人の奴が言った。 「え、工藤! お前は今西とどんな感じなんだ?」 思わず工藤に振る。 「うわ、ちょいちょい、ストップ! ふっちーに聞かれんのは、何か嫌だって! 」 「あはは! お前ら相手知ってるもんな。んで、どうなんだ?」 「……や、俺は会えばってか、向こうも忙しいから元々そんなに会えてない。それに、そういうのは、結構気をつかってるつもり。ちゃんと向こうの気持ちを……読む。ケンカしたくないし」 だ、そうだ。マジか。読むって何だよ。心理戦かよ。 「え、ケンカすんの、お前ら」 「するよ。たまーに、だけど。朱里、結構自分の意見言うもん。ハッキリしてる」 「俺、したことないわ」 「そーなんだ。石橋、結構言うタイプなのにな。あ、でもお前にうるさいくらいぞっこんだもんな」 「ぞっこんて」 「いや、まじでそんな感じの彼女なんだよ」 みんながわいわい言ってるのが、遠く聞こえるよう感じた。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1118人が本棚に入れています
本棚に追加