vol.2

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ある日。 「大学入るとみんな化粧するよな。知ってるか? 18歳以上の女子のブス率って一気に下がるらしいぞ」 「わぉ、化粧って偉大。素っぴんヤバいやついるもんな」 「みんな色気づくからなー。男子も大学デビュー多いわ。受験終わって一気に弾ける。バーン! だいたいが恋愛脳。やることばっかり」 バイトのメンバーとカラオケに来ると、誰かがそんな事を言った。確かに、誰かしらずーっと女の話をしていた。 紗香は、化粧してなくても可愛いけど、そんなもんかね。紗香は紗香で大学生活を楽しめばいいと思いながらも、紗香が変わるのが嫌だったのかもしれない。 視線を感じて顔をあげると、紗香がいた。 ……え、バイト、カラオケだったのかよ。ホールスタッフって、飲食店じゃないのかよ。驚いてると、「ごゆっくりどうぞ」なんて他人行儀に言って出ていった。 「今の子、可愛い」 「思った!」 「もっかいドリンク頼む!?」 「え、誰か連絡先聞けよ」 「制服のスカート、もうちょい短けりゃいいのにな。ドリンク置くときこっちから見たら……」 聞いてられなくて、ヘッドロックした。そこでさすがに俺の彼女だとは言えなかった。 その後も合間合間に紗香に声かけるとか何とか言うから、我慢出来ずに 「俺の彼女」だって、言った。お陰で今度はヘッドロックされた。 あいつ、可愛いよな、やっぱ。今日もしっかり化粧してたけど。 ── ────
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