この期に及んで

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この期に及んで

僕の意味なんて元々ない そう言ってキミは僕から離れてしまった。 そんなつもりもなかったんだが…頭をかいて彼は悩む。 一人の人間が夢を持っていた。それは全然構わないんだが、自分の意味を見失っていたからだ。 僕はよく想うんだ。皆、自分なんて大したことないと、よく聞く。それは誰しもが想うことで、僕はそんな人たちを見ているとつまらなくなる。なんだよ、皆そうなの? 誰にも言えないことがあった。それは誰にも言いたくない。それを抱えて生きている。僕らは自分の罪を赦さないし、生きることに拘れば拘るほど僕らは、惨めになる。そんなふうに生きていて何が楽しいのかわからない。生きることにそこまで執着するのは、そもそも、僕らはそこまで特別ではない事を心の何処かで認めたくないのではないかとか… 彼女はそばにいる人たちに愛想を尽かしていた。僕はそんな彼女を見て、同じだと想う一方でもう、そんなキミにつまらなさを感じていた。あんなに特別だと思っていた彼女はもう、どこにでもいる、女の子になってしまった。それは歳の歳月の日々がそうさせたのか、悲しみよりもキミも誰かの二番煎じにすぎないと言う、かつての幻想を、彷彿とさせる、退屈さだった。偶像が壊れてしまったのは、本当にホッとしている。君たちが特別だったら、僕らはきっと関係性さえ、いつまでもあやふやで、キミより上にも秀でる事もなく生きて虚しくて、彷徨っていた。僕は君達よりもずっと、上を見ていたと思い込んで、君達を遠ざけた。それは個人の自由だ。だが、僕はやっぱりそんな、偶像が壊れてしまったのは悲しかった。信じたかったし、それが僕らをあんなに輝かせたんだ。若かりし頃、抱いた夢や理想が、嘘だった、と色褪せてしまう前にかも…? 「ボケはほっとけ」 ?! 意味ないことしてるな? お前はそんなにつまらない奴だったのか? …いえ。そんな事は無いです。 …夢は持て。それは意味がある事だ。 …ハイ。 自分のしていることが輝いていたとふと、気づく。人に夢を話すのは僕は今まで避けてきた。それは、叶わないと信じていたからだ。だけど、それは間違っていた様だ。したい事をやってれば良い。そう、彼は言いたかったのだろう。 ありがとうございます。
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