綺麗な月夜には不思議な青年がいる

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綺麗な月夜には不思議な青年がいる

花が好きだから花屋さんになりたい。 子供の頃なりたいと純粋に夢見たものは、いつしか日々の中に置き去りにしてしまった。 枯れ果ててしまった、夢。 一体何処へ落としてしまったのだろう。 綺麗な月夜だった。 ふらふら夜道を歩く。社会人にもなるといろんなつき合いが必然的に多くなる。望む望まないに限らず円滑にやっていくためにはたぶん、必要なこと。それでもため息は増えていく一方。 母への連絡も減り、恋人とは会えばケンカ。 思わず泣きそうになる。 頑張っても頑張っても、報われない。 苦しくて。 苦しくて。 このままもう、消えてしまいたい……。
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