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「着いたぞ」 青年が口を開いたのは花園に着いてからだった。二時間以上かかったが、疲れも吹き飛ぶくらい幻想的な風景がそこには広がっていた。アイスブルーの花が丘一面埋め尽くしている。――月灯りを浴びた花は、一段と美しく、まるでこの世とは切り離された別世界みたいだ。 二人並んで花園に立つ。 心地よい静寂が流れる。 月灯りに照らされた真剣な横顔に少しだけ、見とれてしまう。今までどうやって話してたか忘れるくらい、不覚にもときめいてしまった。ロマンチックという雰囲気を味わった経験は愛読している少女マンガくらいである。 そして青年はこっちを見た。 その瞬間、瞳の奥に星をみた気がした。 「――なあお嬢さん」
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