運命は突然に

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トーストをかじっているとソファーで熟睡していた瑞季がいつもより、一層ボリュームの増した髪をふわふわさせて、朝の光に顔をしかめながら体を起こした。 両手を組んで高く上にあげ、伸びをする。 「ねぇ、俊。 トマトが食べたい。」 寝起きの掠れた声で瑞季はそう言った。 瑞季が俺に何かを頼むのは初めてだった。 戸惑いはしたが、買ってくるよ、と言おうとすると 「育てても良い?」 と聞いてきた。
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