美しい人

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「私ってば、行きは良かったのだけれど、帰りがね。 お土産を買いすぎてしまったみたい」 「何買ったんですか?」 「いくら、とかかしらね」 「いくら、良いですね」 そんな他愛もない会話をしながら歩いていくと、壁一面に朝顔の巻き付いた白い家にたどり着いた。 女性は振り返って 「ねぇ、お茶でも飲んで行かない?」 と言った。 彼女の瞳には、はいと言わざるを得させない、そんな強い光が宿っていた。 私は、悪女に迫られる既婚者を連想した。
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