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俺が無理です、と断ると大家さんは俺を話し声が女に聞こえない場所まで連れて行き
「家賃は、二人で割り勘して月3万で良いから」
と卑しくささやいた。
俺は驚いて
「月3万ですか?」
と聞き返した。
なかなかに良い条件だった。
ちょうどバイトをかけ持ちしようか考えていたところだったので、大きく心が揺れた。
大谷さんがニヤつきながら頷く。
まいったなぁ、これじゃあ、達磨さんではなく、悪魔との取引みたいだ。
「わかりました。雨漏りが治るまではうちの部屋で泊めます。」
と、いう事があって、俺はいきなり橋本瑞季という見ず知らずの赤の他人との同居生活を始めることになった。
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