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「まさかあの二人がキスまでしていたなんて。私にはバレバレよ。もう少し素材を集めたら動画をプロの編集さんにお願いするだけね」
茜先輩はボク達の盗撮動画を不気味な笑みを浮かべながら何かを企んでいた。ボクは乱れた制服と髪を直しながら部室へ戻る。でも戻る途中の廊下で美咲の呼吸が荒くなって胸をさすりながら座り込んでしまった。
「はあはあはあ…… でも無事でよかった? 胸騒ぎしたから付いてきちゃったんだ」
「ありがとう。それよりも大丈夫? 少し辛そうだけど」
「だ、大丈夫だよ。久しぶりに走っちゃったから少し疲れちゃったんだ。少しでもアズちゃんの助けに私はなりたいんだ」
ボクは不安な表情をしながら何度も美咲の背中を優しく擦ってあげる事しかできない。少し乱れた呼吸を整えると落ち着きを取り戻したためボクは安堵した。
でもこの時、亜希先輩の「クソビッチ悪女」を思い出すとクスっと笑ってしまった。ボクは笑みを浮かべながら美咲と一緒に綾子先生のもとへ向かった。
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