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松本さん。君も良かったら一緒にやらない?」
「ボクも先生の様に輝きたい」
そうだ。もっと先生のことが知りたい。大好きな先生に近づきたい。先生とずっと一緒にいたい…… ボクの心臓は張り裂けそうだ。
真剣な眼差しでボクが答えると春香先生はコクリと頷いて、差し伸べた手を引いてボクを光り輝く舞台へ上げた。
「ようこそ演劇の世界へ」
こうしてボクは演劇と言う異世界へ足を踏み入れるきっかけとなった。
だけどそれから間もなく、ボクの好きな先生は若くしてこの世から居なくなってしまった……
数か月後
冷たい雨が降り注ぐ午前10時。ボクの目の前には頭から血を流して俯せに倒れている先生の姿があった。頭から流れるおびただしい鮮血は雨水に混ざってボクの足元に広がった。
「せ、先生…… 春香先生! 」
先生は校舎の屋上から身を投じた。ボクのせいで大切な人を死なせてしまった。集まる人だかり、遠くから聞こえるサイレンの音と同時に虚しく鳴り響くチャイムの音がスローモーションで耳に入る……
そして僕の頭に響き渡る「さようなら」の一言でボクの瞳から雨の雫と混ざって涙がこぼれた。
「う、うわああああああ! 」
ボクは大切な人を救えなかった。ボクのせいで先生を死なせてしまった……
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