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「何故…… この世界は滅んでしまったの?」
「これは文明の発展によって何度も愚行を重ねた僕達への試練だったんだ」
「そ、そんな…… 私たちはもう助からないの?」
泣き崩れる彼女をボクは優しい笑顔でそっと肩を抱いてあげた。
「大丈夫。君は死なないよ。ボクが命に代えても守ってみせる!」
シリアスな空気に包まれると一気に埋め尽くされた客席からはボクに視線が向けられた。
わずかないセリフの言い回しやトーン。細かな動作や表情で巧みに描写を表すことが試される難しい世界だ。
だがスポットライトに照らされたボクが輝ける舞台という名の異世界が楽しい。 こうしてボクは今日も観に来てくれたお客さんを楽しませた。
パチパチパチ
緞帳がゆっくりと下され、今日も無事公演が終了した。
ガヤガヤガヤ
「今回の劇もよかったわね」
「松本さんって超カッコいいわよね。羨ましいわ」
「何か同じ女子なのに胸がドキドキしちゃったよ」
ホール外では劇を観に来た生徒たちが貼られたポスターを見ながら盛り上がっていた。
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