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ボクは松本梓高校1年だ。長い黒髪と長身、顔は少し男子っぽいけど性格は真逆だ。ボクが通うさいたま学院演劇部は昨年、創部されたんだ。
今日も毎月第1土曜日に行う自主公演の日はこうして学校のホールを借りて上演していた
そしてボクが教室へ戻ろうとした時だった。
「キャーッ 梓さんよ」
「まるで宝塚歌劇団の人みたいだ」
正直恥ずかしい。舞台上では恥など感じないボクは現実世界へ戻るとシャイだ。
「なんだか芸能人みたいだ……」
皆と変わらないJKなのに尊敬のまなざしで見ないでほしい…… ボクはぎこちない笑みを浮かべながら足早に教室へと向かう途中で事件は起きた。
「ま、松本さん。話があるんだけど良いかな?」
「え、えっと…… すみません急いでいるので」
この日もいつものようにある男子生徒に声をかけられた。でもボクはどうしても男性と至近距離で話すのが苦手なんだよな……
隣のクラスの男子生徒が頬を薄く赤らせながら僕を見つめてくる。
ボクがいつものように軽く会釈をして引きつった表情と視線を斜め下に向けながら足早に教室へ向かおうとした時だ。
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