37人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後も、週末もずっと共にしてきたわ。大会前なんて何度も練習終わりに泊まりに行って春香の部屋の窓から眺める流れ星を指でなぞりながら部活や恋の話、それに将来の事など毎日話しても話題が尽きなかったわ。
「春香。私を演劇部に誘ってくれてありがとう。私、演劇部に入らなかったらこうして自分が変わることできなかったよ」
「私も綾子と一緒演劇部をやれてよかったわ」
「でも春香の演技なら絶対に全国大会行けるわ」
「そんな事ないよ。綾子が裏方としてサポートしてくれるお陰だよ。それに気配りや細かい指示ができる綾子を尊敬するわ」
何度も2人で語り合う夜が楽しかった。こんな日々が一生続けばよかったと思っていた。
そして私が2年の夏休み中のミーティング。この日は3年が引退してしまい次期部長を決める大事な日だった。
本当は緊迫した空気で笑うことも気まずいんだけど、春香ったらこう言う空気をいつも初めに「にぱぁだよ」なんて言って笑わせるんだもん。くすぐりと同じくらいに反則だよ。すると春香は笑顔で手を挙げながら
「今度の部長は、夏目綾子さんを推薦します」
「ちょ、チョット春香」
最初のコメントを投稿しよう!