After Story Vol.4 厄災の始まり

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(そ、そうだ。確か、過去に大きな噴火があった。あの時、俺は何もできず焼け死んでいった人を見ていた。人を救えなかった・・・この湖から火柱が上がるなんて・・・) ここで、十和田湖は火山であることを思い出した。当時、大噴火した時に人々を救えず、ただ見つめることしかできなかった。次元が異なるため、どうすれば人を救うことができたのか猛省したのをハッキリと思い出したのだった。 「あの時の・・・噴火で・・・うっ!」 「そうじゃ。あの時を思い出したようじゃな。あれからどこへ行ったのか寂しかったぞ」 心の世界に映し出された光景を目の当たりにし、ショックを受けていた。 「人を救えなかった・・・予兆があったにもかかわらず・・・」 「もういいぞ。前世でそういう思いがあったからこそ、今世は人に生まれ変わって人を救うと誓ったと聞いたぞ」 「えっと、誰に?」 「この幼い金龍からだ。この子かわいいな~。連れ子か?」 「そうです。九頭龍様のお使いで、死に際に御霊を人という形代に入れてくれました。今も遊びたがりで・・・」 「そうか、幼い金龍に助けられたということか」 こうして十和田の青龍と会話を進めていく。 「この宝珠、何か今後のことを示しているらしいけど、なんと読み解ける」 青龍に読み解いてもらう。結果は・・・ 「これはいかん!すぐ広めんと、この国にとてつもない危機が襲い掛かってくる!」 「国の危機?」 「ゲフッ!ゲフッ・・・おっと、息が詰まるとは風邪か?トーシャよ、息詰まりを伝えてくれないか?」 唐突な危機が訪れることを青龍が慌てふためいていた。これを世に知らせろと青龍が言ったのだった。 「わかりました。人になった今なら伝えることができる!」 そうだ。自分は今、人になった。前世でできなかったことが今世ではできる。このチャンスを生かそうではないか! 「青龍様、あなたの想いを無駄にはしない!これを世に広げて、危機を救う!」 青龍に誓って、十和田神社を後にし、ホテルへと向かったのだった。
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