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お仕事③「ギャップ萌え」
最近、あたしには少し気になる人がいる。
それはうちの会社のそばの
コンビニで働いてる人で…
はっきり言って、ちょっとヲタク?な感じで(笑)
足長いのに、なんかダボっとした
ズボンとか履いてるし
服装は、なんかダサいし…。
声とかもちっさいし。
なのに…
商品を手に取る時の指の長さと
ネガネの奥に見える長~い睫毛を発見してからは
ちょっと気になる存在になった。
私が見かけるのは、3時休みに
おやつを買いに行く時とかだ。
週に5日は入ってるんじゃないかしら??
おやつを買いに行くのはそれまでは
当番制にしてたけど、
私が買いに行くから、と同僚たちには断りを入れて、
ほぼ毎日彼の顔を見にいっている(うふっ)
会社の帰りにちょうどバイトを終えた彼に
遭遇することもあったりして、
(やっぱりダサい服だった…。
もっといい服着ればいいのにぃ~)
彼が文系の大学生(もしくは大学院生?)
であることを知った。
コンビニの名札から
名前(苗字)が「由野」であることも
リサーチ済みだ。
「ゆきこさぁ…思い切って声かけてみたらぁ?」
同僚のさつきが半ばあきれ顔であたしに言ったけど、
勝気なあたしでも、そういうところは
ちょっとダメだったりするのよね(苦笑)
毎日、同じ時間に行ってるから、
最近はあたしの顔を見ると
「こんにちは~」と声をかけて
くれるようになった由野くん。
ちょっと笑った顔がなんかかわいい~~!!
(きゃ~~!!)
しかも、思ったより低めの声がちょっとステキ…
(もう重症だわ←さつき)
一度、声かけてみようかなぁ…。
そんなことを考えていた矢先、
あたしのハートを打ち抜くような事件が
目の前で起きたの〜!!
ある日の会社の帰り、
あたしの前に、バイトを終えた
由野くんがコンビニから出てきたぁ~~!
あらためて見ると、
ホントに背が高〜い、足長~い…
あたしは由野くんの後ろ姿をうっとりと眺めながら
少し後ろを歩いていたわけ。
(あ…尾行じゃないのよ、マジで)
あたりが薄暗くなっても、
あの背の高さはグンと目立つから、
ぜ~んぜん見失うことなく歩いていたら、
由野くんが突然立ち止まった。(びっくり!!)
なんだか左側の細い通路の方を見てるみたい。
罵声のような声もそこから聞こえてきて…
ちょっとヤバい状況なんじゃ…あれ…??
由野くんが、その通路に入っていくのが見える。
やだ、なんで…???
あわててあたしもその通路に入っていくと、
高校生?みたいなヤツら4,5人が
どうやら1人をボコボコにしてるみたいな状態で…
これってリンチ???(や、ヤバい…)
「何…してるんですか?」
しかも、由野くんてば、なぜか聞いている!!!
おいおい、空気読めないコなのぅ???
そんなこと聞いちゃダメに
決まってるでしょ~~~!!!
「なんだ、てめえは??」
思った通り、デカイ図体の
眉毛のない高校生が由野くんに向かってくる。
ヤバい…!!!由野くんがやられちゃう!!
110番しなくちゃ!!!
あたしがスマホを取り出した途端、
その手首をぐいっと掴まれた。
「ねえちゃん、何余計なことやってんだよ、
コラあ〜!!」
別の仲間があたしの手首を掴みながら
睨みつけてくる。
こ、怖い…た、助けて~~~!!!
あたしが恐怖のあまり身をすくめた時、
断末魔のような恐ろしい声が…
「ぐぁぁぁ…」
由野くんが殺されちゃ……あれ????
恐る恐る目を開けると、
ぬぼ~っと立つ由野くんのまわりに
のたうちまわる高校生たちの姿が(驚愕)
な、何が起きたの???
あたしの手首をつかんでたヤツも
呆然としてたんだけど、我に返ったように
「てんめぇ~~~」っと飛び掛っていったのに
突き出した拳を軽くよけられた上に
手首をひねり上げられて
あえなく地面に(は、早っ!!)
あたしは思わずへたへたと地面に座り込んだ。
怖さ以上に由野くんの信じられない強さに
びっくりするやらときめくやら…。
「だ、大丈夫ですか!?」
あわてて由野くんが駆け寄ってきてくれる。
その姿はコンビニで見る、いつもの由野くんだった。
「由野くんて…強いんだね…」
「あれ…僕の名前??」
「あ、あの…名札見て…その…」
そっか…という顔になった由野くんは
あたしを見た途端、顔を真っ赤にすると、
あわてて上着を脱ぎだした。
????……!!!!
座り込んだ拍子にあたしのフレアスカートは
しっかり上までめくれ上がってて…
おパ○○丸見え状態だったのぅぅぅ~~~!!!
(号泣)
「きゃぁぁぁ!!!」
「す、すみません!すみません!!」
なぜか謝りながら、由野くんが
自分の上着をかけようとして
思わずバランスをくずしてあたしの上に…
あっという間に由野くんのふんわりとした唇が
あたしの唇に…(いや~~~ん!キスぅ〜)
そのまま由野くんは
あたしの体の上でなぜか気絶(なんで~~~!!!)
そのまま救急車を呼ぶハメに…(トホホ)
でも…なんか…
やっぱりこの人のこと好きかも(うふっ)
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