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〜双子は語る〜
「やぁ……もう……っぁ……」
αの雄二人に一度に抱かれるというのはΩ的にはかなり体力が必要らしい。
先程、二人を一度に受け入れたあと、今度は横になり悠太の両手を握りながら背後の颯太に愛され乱れる律は本当に可愛い。
遺伝子的に同じ一卵性の双子でも通常はフェロモンも運命の番も異なるらしいが、どうやら悠太と颯太の運命の番はたった一人、律だけだった。
律は真っ白な肌に赤い唇。黒い瞳と癖のある黒髪。Ωに有りがちな媚感が全く無い天使の様に清らかな容姿を持つ。
本人はジミだと思い込んでいるが、それは清らかさとか清楚感からくるものであって決してジミではない。
律は二人の番になり、ヒートを共に過ごす様になってからは花綻ぶように更に美しく尊い気配を纏う様になった。だから外に出る時の眼鏡は必須アイテムだ。寝乱れた時、シーツに栄える美しく少し長い黒髪もその様相を日常から隠すのに適している。
さらに悠太と颯太と同じ服装を律は好むから華奢な身体には似合わす野暮ったくなる。
美しい律を自慢したく無い訳ではない。
まだ名目上、学生である颯太と悠太は律に穏やかな学生時代を過ごさせたいだけだ。
気が付いた時には同じ保育園にいて、幼馴染だった律。律に近寄るαは全て精神的にも物理的にも威嚇して二人で囲った。
律のパパからも『律くんを守ってね?』と牽制されながらも側にいる事を許されたのはラッキーだった。
律は幼い頃から無自覚に美しく、優秀過ぎるΩだった。だから沢山のαを無自覚に引き寄せた。小学生の頃、何度誘拐されかかった事だろう。中学生の頃、何度トイレや無人の教室に引きずり込まれかけただろう。
共に暮し始めた今でも……いや共に暮らし始めた今だからこそ溢れでる色香や艶めきに虫が寄って来る。
最近は特に、悠太や颯太の様な強いαが多い国内トップクラスの大学に在席している律のことをαのフェロモンを感じ無いからと優秀なβだと思い込んでいたいた奴が、ふとした瞬間に気付いてアプローチしてくる。
例え律が既に番持ちのΩだからフェロモンを感じられないとわかっても、奴らは強いαや運命のαはΩに対し番の上書きが出来るからとアプローチし続けてくる。
アプローチしたところで、手出しをさせるつもりもないし、『運命の番』に上書きなんて出来る筈もない。だが、それでもいい気分はしない。
律は覚えていないが、俺達はとっくの昔に『二人で』律を番にしている。
それは二人に精通がくるよりもずっと前から二人で計画していた。
あの日、集団検査の結果がまだ自宅郵送じゃ無くて学校で手渡されていた頃だったから、隠れて中を見る律の後ろから手元の書類を覗き見た。
驚いた表情を隠せない律に対し、求め待っていた結果を確認した俺達はかき氷を食べに行こうと律を誘った。そして、小学生の頃から続けていた株を資金源にして用意して置いた隣の市の隠れ家に連れ込んだ。
梅雨明け前とはいえ、蒸し暑い日の赤い夕日が差し込む室内には大きなベッドが一つ。
それを見ても、まだ何が何だかわからないという顔をした律にαのフェロモンを二人分、大量に浴びせ強制的にヒートを起こさせた。
足に力が入らず床に座り込んだ律をベッドの上に押し倒す。
「そ、た?ゆ、た?」
もう、意味のある言葉は俺達の名前しか口にできなくなった律は、無垢な天使の笑顔のまま、生まれたままの姿を言われるがままにみせてくれた。
みんながみんな初めての行為だったから念入りに二人がかりで解した律の中は、溶けそうな程熱く引き摺られそうな程赤く熟れていて蠢いていた。
誰に教えられた訳でもないのに、俺達は二人で律の薄い胎内に入りこみ、上り詰め、白い熱でその中を染めながらか二人同時ににうなじを噛んでいた。
無意識に二人で撫でていた律の薄い腹の、臍の下がぴくぴくとする度に、中が蠢く。
初めての快楽と共に身体を俺達の為に作り変える律が愛しくて愛しくて、ラット状態だった俺達はそのまま、上下の位置を変え、再び律の中で熱を貪った。
その日の夜には律の両親に番になった報告をするつもりだったのにラットに陥った俺達は長年溜まった欲望を止められなかった。
結局、律を律の両親の元に戻してやれたのは四日後の朝。
すでに梅雨は明け、夏休みが始まっていた。
まだ早朝と言っていい時間。俺達は俺達の両親に隠れ家をみつけだされ、その行為が初めて俺達以外に明るみにされた。
両親が室内に入ってきてもなお、ラットで暴走していた俺達は、交わりの最中、威嚇フェロモンとぐう手で殴られるまで律の中に必ずどちらかが入り、片時も身体を離さなかった。
めちゃくちゃ怒られた。けれど、やっと二人では足りなかった何かが埋まって最高に幸せだった。
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