アマービレ・ブリオーソ・アモローソ amabile,brioso,amoroso.

プロローグ

　天使の羽根のように、風に揺れる白いレースのカーテンの向こう。真っ青な空から燦々と降りそそぐ光の中、それは静かに佇んでいた。

　主(あるじ)はとうの昔にこの世を去ってしまった。だから、それはずっと待っている。次の主がここを訪れてくれるのを。