18.

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「智弥?」  ――じゃあこいつが王子様?   ……王子のキスで、眠り姫は目を覚ます――。  智弥はそっと手を伸ばした。  目が合う。ふっと逸らされるのをつい追いかけて頬に手を当てる。ほんのり赤く染まったその滑らかな感触に、身体の奥が疼いた。 「智弥……手、はなして……」  手のひらを重ねて外そうとするのを、力を込めて阻む。そのまま顔を寄せて、心の赴くままに、肉厚な唇を自分の唇で塞いだ。 「……っ」  吐息が重なり合う。少し離した唇が赤みを増し、さらに智弥を煽る。 「あ、智弥……待っ、」  何か言いかけた言葉ごと吸い上げて、後ろ髪をかき抱いて舌を絡める。  ん、と漏らした声に背筋が震えた。胸に置かれた拳がぎゅっと握られ、かすかな抵抗を示す。  抱き寄せた身体が小刻みに震えている。唇を離して視線を合わせると同時に、光希は大きくしゃくりあげた。 「光希……」 「ごめん……っ、俺……」  切なげに睫毛を揺らすと、大粒の涙が頬を伝った。 「ごめん……!」
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