きっと、いつか。

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桜木は傍らのスケッチブックに書かれた絵を見ていた。 「いつもの山崎さんとは別人みたい。  この人、いつもは怖いんだよ、すごく」 「煩いよ、お前」 「すみません」 軽口を言い合っていたら俺の腕を 陽菜ちゃんが掴んだ。 「お姉ちゃんは仕事に戻って。  私これからこのお兄ちゃんとデートするんだ」 「えぇ…?!」 「お兄ちゃん、私のタイプなの。  ね、いいでしょう?一生のお願い!  デート、してくれませんか?」 陽菜ちゃんは楽しそうに笑った。 「陽菜、お腹空いてきたので案内してください。  東京一、美味しいお昼ごはん食べれるところ  知りたいな?」 そう言った彼女の笑顔は溌溂として 背景の桜も霞むくらいに活き活きとして見えた。
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