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「…やあ、お兄ちゃん雁木側の雪下にでも落ちたか。一緒に飲むかい?」
気がつけば、雪で滑った私の目の前に一軒の商店があった。
古めかしいガラス戸の開いた店内。中には数人ほどの客がいて、店内に下がった乾物や棚に入れられた商品を眺めている。奥の老人は鍋に入った甘酒を混ぜており寒さをしのぐためか人々はお猪口に入った甘酒を口にしていた。
「雁木って…この建物のことですか?」
おたまから注がれた甘酒を受け取りつつ私が尋ねると「うんにゃ、連なった屋根のことを言うのさ」と老人は答えた。
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