雪籠(ゆきごもり)
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甘酒を口元に持って行きながら、ずぶ濡れの晴れ着姿の女性がこくりと頷く。 「…なあ、兄ちゃんもそうだよなあ。うっかり雪に埋まっちまって」 (雪に?) その時、私の背後で声がした。 「おーい、雪に埋まっている男がいるぞ」 「可哀想に水路に落ちて首の骨が折れちまっている」 「側溝の蓋がもろかったか、ここの家も空き家だからなあ」 口にしたはずの甘酒が異様なほどに冷たく感じる。
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