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「久々に誰かと食べた。」
「え?」
「ほら、病院食って一人じゃん。寂しかったよ。」
風見は筒に証書をしまう。
「なんとなく予感した。きっと一番最初に食べてくれる人は亜子ちゃんだって」
「嘘」
「ホントだよ」
「手術にも来なかったのに?」
自分から痛いところをつくけど、風見のほうがよっぽど気まずそうな顔をしていた。
「それは…俺のせいだから。自業自得ってやつ」
「そんなことないよ。私だって…」
お互いに謝り合うなんて馬鹿みたいな光景で、吹き出すように笑う。
「なんで笑うのー?」
風見が聞く。
「お互い様だね、私達」
「じゃあ…そういうことで」
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